あかいろのしずく

片手にはまだ震えている携帯。ドアの前で、純はそれを両手で包み込むようにして持ちました。


このあと、何が純を待っているのでしょう。

純は分かっていて教えませんけれど、もうここまで来たのです。そのうち教えてくれるでしょう。




願わくは、純を悲しくさせるようなことが起こりませんように。




僕がその背中に祈った、その直後でした。
純が何かを思い出したようにこちらに振り返ったのです。



「先生」




僕は「なんですか」と聞きます。あのね、と再び口を開いた純は、頬にきらきらとした笑顔を浮かべていました。




「マンダリンダックはね、愛の鳥なの。恋愛運が上がるの。先生も、素敵な人と出会えるといいね!」