あかいろのしずく


純が悲しい時は楽しい話をします。

純が落ち込んでいる時は励ましてやりましょう。

純が泣いている時は一緒に泣いてなんかあげません。

絶対に笑ってやる。




「あなたは必ず幸せになれます」




僕は言い切りました。
手を離した時には、純は泣き止んでいました。


携帯を掴んだまま手の甲で顔を拭います。




「なによ、それ。宗教勧誘の人が言うやつじゃん」

「僕はカウンセラーですよ」

「はは、知ってる」




僕はカウンセラー。
僕の仕事は、ひとの心に寄り添うこと。




純は立ち上がってカバンを持つと、一つ深呼吸をしました。