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気が付くと、僕の目の前には白い花畑が広がっていました。

ぽつんと花に囲まれて横たわっているのは自分だけです。辺りに人の気配はありませんでした。


ああ、そうか。
透き通った青の上を流れていく雲を眺めながら、ぼんやりと思い出します。


僕は負けたのです。
東がこの場所にいないということは、結局あの火事で死んだのは、自分だけだったわけです。


他の四人を解放するのはもちろん確定事項でしょうが、僕が心中の提案をするのも分かっていたのでしょうか。