突然訪ねたらびっくりするかな、笑ってくれるだろうか。
久しぶりに会うな、楽しみだな。
ずっと、本当はずっと、会いたかった。
まだ安静にしていないといけない左腕もお構いなしに振って、がしゃがしゃと鞄を揺らしながらアスファルトの上を駆ける。進めば進むほど、校舎からどんどん離れていく。
近くに駅がある。そこでタクシーに乗って行こう。
病院の名前も知ってる。値段とか帰り道とかは知らないけど、きっと大丈夫だ。
温かい日の光を浴びて青空の下を走る。
いつもの通学路から外れたそこは、緩やかな坂道が続いていた。



