そしてもう一つは、彼があの十日目の夜に言ったことに誤解があったということ。
いやもう凄くこれは恥ずかしいんだけど、彼が私を好きだと言ったのは友達的な意味だったらしい。
これもさゆりさんと話していた時に気づいた。こっちは本気だったのにな、あの時の熱をどうしてくれるんだよと思う。ということで、今日会ったら私は彼とはようやっとちゃんと先輩後輩もはっきりしてお友達の関係というわけだ。
けど。
「誕生日......」
口に出して少しにやっとする。
そうだな、誕生日だからな。
わがまま言っていいかな、東(あずま)先輩と付き合いたいです、なんて。
そしたら先輩、どんな反応をするだろう。



