けど、会いに行こうとは思えなかった。危うく私のせいで死にかけたのだ。
一度息もしなくなって大きい手術もして、やっと助かったのに、私みたいなのがケロッとして顔を見せていいのだろうか。お見舞いしなきゃいけないけど、そんなのそもそもできる立場じゃないんじゃないだろうか。
助けてもらって嬉しいと言いたかった。
でも、なんだか申し訳なく思えて言えなかった。
そうして病院にも行けないでいたら、手紙が届いた。一通目は「こっちはぶじ。そっちは大丈夫?」。
さゆりさんに渡されたときは驚いたけど、さゆりさんが返事を書いたら渡すよ、と言ってくれたので、返事を書くことにした。
――無事です 助けてくれてありがとう
感謝を伝えると、「いいよ」と返ってきた。
生きていたことが嬉しかった。本当に嬉しかった。それでも病院には行けなくて、お見舞いにも行けなかった。



