血圧が低下してるとか呼吸してないとか、聞こえてくるもの全部が恐怖の対象だった。もしかしたらもう死んでるんじゃないかって思った。濃い血の匂いが鼻の奥までこべりついて離れなかった。吐き気までした。

機械の電子音が常に鳴り響いていた。

腕も指も動かない。だらんと担架から垂れていて、そのうち体を毛布にくるまれていく。見ているだけで怖かった。涙が溢れてきて止まらなくなった。


私なんか放っておいてよ、って言いたかった。でも喉が痛くて声が出ないし、息をするのも辛かった。心がずっと泣き叫んでいた。


いやだ。私、やだよ。

謝りたいな、ちゃんとお礼言いたいよ。
死んじゃわないでよ。ひとりにしないでよ。

怖い。死にたくない、誰にも死んでほしくない。怖いよ。