あかいろのしずく

すると、カチャ、と何かがぴったりとはまったような音がして、鍵の部分が外れた。


南京錠を外し、ロッカー本体の鍵も開ける。
ドクン、ドクン。心臓が大きく鼓動する。

金属が擦れたような高い音が鳴って、ロッカーが開く。そして私は、中に入っていたものを見て息を呑んだ。



「なにこれ......」



教材なんて何も入っていない。あるのは四つ折りのルーズリーフが一枚と、ケースにも何にも入れていないネックレスだ。赤色の雫のついた、ネックレス。


私は奥からそれを手繰り寄せると、掴んで出してロッカーを閉めた。
足元に転がる南京錠を持って立ちあがり、いくつか積んであるロッカーの上に並べる。