今ではみんな面倒くさがっているし、鍵を開けるのに手間がかかるし、壊してしまうとロッカーが開かなくなる。私も実際、ロッカーから外した時に壊してしまった。
そもそも学年が変わってまた南京錠が貰えるわけじゃないから、無くしてしまう人もかなりいた。
というわけで、クラスに二、三人ほどなのだ。
よほどの優等生じゃないかぎり、南京錠をロッカーにつけている人は。
私は四つ折りの紙をポケットから取り出す。
それはもうあの時こそは呪ったが、今考えてみれば不自然だったのだ。
そもそもどうして“私”に宛てたものなのか、よく考えれば分かったのだ。
ラブレターなんかじゃ、なかったのかもしれない。



