なんかごめん。いや普通にごめん。
きっと恥ずかしいとか人生終わったとか思ってるんだろうな。
「気にせんでええのよ」と紗季はぽんぽんと祥人の肩を叩いている。
「七香先輩は帰らないんですか? うちら一年はこの後式場の片付けなんですけど」
「うん、ちょっとまだ帰れないな」
「え、そうなんですか」
そっか。二年生が式の準備をしたから一年生は片付けだったのか。なるほど。
本来なら三年生と同時に二年生も下校になるが、私はやることがあるので、それを終わらせて帰るつもりだ。まあ、大変なことじゃないからすぐには終わるだろうけれど。
窓の外からわいわいと楽しそうな声がした。紗季と一緒に窓から覗くと、先生が何人か外にいて、その周りに生徒が集まっていた。先生がお見送りに来たんだろうか。



