苦笑いしたさゆりさんの言葉が、胸に突き刺さる。




“ここにいたら”

......確かに、そうだ。

もう卒業式も終わってしまった。アズマはさゆりさんのように、この場所にいて友達と卒業式を迎えることもできなかったのだ。

アズマの気持ちを思うとより一層胸が痛くなる。


けど。



「そんなことないですよ」



さゆりさんが顔を上げた。



「ショックじゃないって言ったら嘘になるけど。最後までお世話になったし、本当に感謝してます。これからは、私ひとりでも大丈夫なので」



アズマのことを聞かされてショックを受けた私に、寄り添ってくれたさゆりさん。立ち直れなくて、その上他のことでも迷惑をかけて、それでも助けてくれたのは、本当のことだ。