ここにいたら危険なだけだ。
そう言おうとしたら、ナナカが先に答えた。
「ショウトくんのことぶった。それで逃げた」
「は?」
「あんたがここにいるって知ったから。助けに来たの、わかんない!?」
初めて見た顔だった。ナナカは泣きながら怒っていた。
さっきからころころころころ表情が変わるけど、まさかこんな険しい顔をするなんて思わなかったし、できるなんて思わなかったし、こんな大声も出せるんだ、って、俺はもうその時は物凄く驚いた。
「やっと見つけたと思ったら。馬鹿でしょ、一人で、こんなになるまでここにいた理由はなに? 話して終わりだったでしょ、なんで、家に火ついてんの!?」
「......それは。西平がつけたんだよ」
俺のせいにされてもね。そう思い俯く。
その時、急に体にふわりと温かい感触。さら、と隣で揺れた髪から、ほんのりと香るシャンプーの香り。俺は理解ができないまま固まっていたけど、すぐに、お腹から背中までナナカにぎゅっと包まれているんだと気づいた。



