ゆっくりと、瞼が上がる。
フィルターがかかっているみたいに、目の前がぼやけている。
目の前が暗い。星空も何も見えない。ただ、自分の真上に何かの影があるのが分かった。それは俺の名前を呼んでいた。
だんだん意識もはっきりしてきて、その声の主が誰かも分かった。
「アズマくん」
ナナカ?
体が動かない。というかまだ体中が痛い。
声を出そうとしても喉が痛い。こんなのだったっけ、俺。ホントにボロボロじゃねえか。
そして次に、鮮明になった視界が映し出したのはナナカの笑顔だった。
「良かった、生きてたね、久しぶり」
ナナカは、泣いていた。



