あかいろのしずく

誰も口にはしないけれど、それは絶対的なルールだ。どうしてか、なんて理由は存在しない。

そして人はふとした時、たまにそのルールに逆らいたくなることがある。
俺もついさっき逆らったのだ。そしてルールを破りかけた。だからこの場所に来たのだ。




ここは夢ではない。



分かってるんだ。純が言ってることも分かってる。優しい奴だってことも知ってる。

だってさ、純は俺がここに来たことが「間違い」なんて言わないんだ。強制的に追い出しもしないんだ。

帰りたくないけど、傷ついて心が痛いけど。
優しい言葉でちゃんと、背中を押そうとしてくれてる。


分かってるんだよ、ちゃんと、本当は、分かってるんだ。




「あなたは今まででたくさん頑張ったんですね」



俺は小さく頷いた。