あかいろのしずく

そんなの、あんまりじゃないか。



「しっかりしてください。泣いてても何も始まらないです。早く戻らないといけない」



純はブレなかった。
そりゃ一番分かっている奴だから当然か、と俺はぼんやり思った。


「お前に......なにが分かるんだ?」


来て早々追い返すような真似、するなよ。
震える声でそう呟くと、純ははっきりとした口調で言い放つ。



「分からないけど、でもずっと見てました」

「......」

「頑張らないといけないんです、生きている以上は」

「......なんだよそれ」

「そういう規則ですよ」

「知るかよ」

「じゃあわたしが連れてってあげますから」

「いらねえよ」



手を伸ばせばすぐそこにあって、でも生きている以上、俺達はその場所に行こうとしてはいけない。