あかいろのしずく


純がそう言うのを俺は、しっかり耳に留めていた。というのも、その時には炎の音は消えていて、純の声だけがはっきりと聞こえていたのである。




「どうしてこんなことになったんだ、って思いましたね。

西平先生が死んだとき、後悔しましたね。人を殺してしまったと、恐怖したんです。体は痛いし、心もぼろぼろになってしまった。そうして生きたいとも、思えなくなってしまったんですね。分かりますよ、わたしも、死んでしまえばどれだけよかっただろうって、何度も思いました。

でも、ここに来たらダメですよ。絶対に、それだけはダメなんですよ」







涙が、涙が、涙が、止まらない。

次第に嗚咽が漏れだして、俺は手の甲で目を覆った。

夢でもなんでもなかったのだ。

純が俺のことをなんでも知っているから。
純がここにいて、俺がここにいてはいけない理由があるから。

俺はもう、もちろんその場所がどこなのか分かっていた。