というのも、気が遠くなるほど何もしない時間が続き、精神が参ってきているわけで。実を言うと、それは私だけではなかった。



「先生」




私が呼ぶと、目の下に隈を作ってやつれた顔をした先生が振り向いた。


先生も、だ。

モニターが壊された以上用がない部屋には入らない。


つまり、私達の監視のために廊下で待機することにしたのだけれど、これがまた酷い。先生は一日中廊下にいるので監視の目が鋭すぎてなにも出来ない。

どうやら私達が二回も脱出を企てたおかげで、向こうにも精神的にダメージがあったらしい。その顔を見ればあまり寝ていないのが読み取れる。


私達がここを出るのが怖いのだとは思うが。