あかいろのしずく


「酷いこと、言うんだね。違うよ」





違うのか。
表情を見ているけど、人物名だけでは眉一つ動かない。本当に理由も全部合っていないといけないんだと、悟った。


残り二分。



「純のため。理由は純が悲しんでると思ったから」

「違う」




残り一分。
ドクドクと心臓が早鐘を打つ中、俺は最も考えられる可能性を見つけた。


それは今まで気づかなかったけれど、追い詰められたが故のものだった。もう俺には、それしか残っていないような気がした。



「カウンセリングを受けた俺達のため。理由は、俺達の恨みを晴らしたいから」