あかいろのしずく


「夜中の三時ぐらい」



藤谷は笑って答える。そして次に個室に行くように提案したので、俺はとりあえず息をついた。



昨日の夜俺がここからいなくなったことを、藤谷は知っているかもしれない。夜中の三時、というのが嘘だとしたらの話だけれど。


でも、そうだとしても「何をしていた」「何のために」と追究することをしないのだから、やはり藤谷は甘い。こんなことをして西平に怒られはしないだろうか。俺は少し心配だった。




その日の朝食は、焼いていない食パンと卵焼き、サラダに味噌汁。

食べ物を与えてくれる以上文句は言えないが、食パンに味噌汁というのは不思議な組み合わせのように思えた。