翌朝目を覚ますと、俺は受付の前のボロボロのソファーにいた。
昨日あの後、ここに着いたはいいが疲れ果てて寝てしまったのだろう。自分の部屋に戻ることもせずに。
脱ぎ捨てたジャンパーが床に落ちていた。むくりと体を起こす。変な体勢で寝ていたせいか酷く首が痛かった。
部屋の中にある時計を見て、今が十一時だということを知った。
それともう一つ。
「おはよう」
突然診察室の方から現れた藤谷。手にはいつものように朝食のトレイがあった。
お腹は空いていたけれど、俺は朝食よりも気になることがあった。
「昨日の夜、いつ目が覚めた?」
知らない間に自分の体にかけられていた毛布を持って、藤谷に問う。



