薬には副作用があった。


きっとわざわざ副作用の重いものにしているのだろうと思った。点滴を打ち始めて最初、吐き気が酷かった。


トイレに行っては吐いて戻ってきて、それを繰り返した。胃の中は空っぽだった。

脱出とか計画とか、それ以前の問題だった。そういうことを考える時間を削ろうとしているんだろうか? 恐ろしいな、と思った。

一日目はそれで終わった。
朝食、昼食は体が受け付けなかったが、夕食はなんとか食べられた。




特に何もせず、吐き気と戦って眠りについた。

こんなことをしている場合ではないと思いながらも、目を閉じれば意識は深くに落ちて行った。