あかいろのしずく

しかしそれは次の瞬間、西平によって遮られてしまう。






「ごめんねショウトくん、時間切れです」




俺は西平に言われるまま、車を出ようとした。その手にはナイフが握られていて、俺は咳も酷かったから、抵抗ができなかった。

「待てよ」――ショウトが俺に続いて車を降りようとする。




西平が「しつこいですね」と、ショウトの方に向かおうとした。

ナイフの刃先はいつの間にかショウトを向いていた。嫌な予感がして、俺は咄嗟にその右肩を掴むと、力を振り絞ってぐい、と押す。


よろめいた西平を横目で見た後、俺はショウトの方を見た。
ショウトは最後に俺に聞いた。








「どうして――――――――」