「あんたは、自分が三人を殺すかもしれないって思わないんですか」
「殺す?」
「オレ達がこのことを誰かに話せば先生が気づいて三人を殺す、そういう仕組みがある。もしそうなれば、オレ達が動いたせいで全てが無駄になる」
俺は少し考えた。
確かに話せばそこで終わりだ。でもなんとか察してもらえさえすればいい。この現状を上手く伝えるために、言葉じゃなくて、行動でどうにかして。
「誰かに話さなかったらいいんだろ。警察を呼ぼうが何をしようが、“そういったこと”さえ話さなければいい」
ショウトが頭を抱えてため息をつく。
「それでどうやって助けるんですか」
「それは」と、そこまで言いかける。しかしさすがに喋りすぎたらしい。喉が渇いて急に咳が出て来た。



