あかいろのしずく


それから言われるままに俺の書いた文字の下に電話番号を書いた。




「気持ち悪いですよ、なんなんですか」

「黙ってろ」

「......。ムカつく」



そう吐き捨てると、ショウトはペンを返さずに再び窓の外に目を向けた。


手のひらに乱暴に書かれた数字列を見る。ぐっと拳を握り、俺はまた前を向く。





空にはうっすらと白が広がり、朝日が昇り始めていた。それもそうだ。
時計も携帯も持っていないから詳しくは分からないけれど、時刻はもう朝の五時を回っているだろう。



そんなことを考えて数分経てば、目的の場所に着いた。