酷く眩暈がした。立っていられなくなってその場に崩れた。息が荒かった。
地面のブロックについていた血を見てまた吐いた。
屋上から獣の鳴き声に似た泣き声が降ってきた。どこかから悲鳴が聞こえた。「救急車!」と誰かが叫ぶ。「人が落ちてきた」と誰かが叫ぶ。
次から次に耳に流れてくる生徒の声に頭がくらくらした。体の血を一気に抜かれたような気がした。上手く息ができなくて涙が出て来た。気持ち悪くてまた吐いた。
もう何が何だか分からなかった。
どうして俺がこんな目に遭わないといけないのだろう、何もしていないのに。
これに偶然なんて理由をつけるなら、それは、あまりにも不運じゃないだろうか。
そうぼんやり思った。
そして視界が真っ暗になって、俺はようやっと意識を失った。



