あかいろのしずく


俺はナナカによく振り回されたけれど、他に流されるようなことはなかった。その代わり、バカみたいに偉そうだった。


自分でも思っていた。

何度冷たく当たって後悔したらいいんだろう。




自分はもっと他に何か、困っている奴がいるときに、慰めだとか同情だとかの、ちょっとした優しい言葉をかけられないんだろうか。


そう考えた時、行きつく先は決まっていた。答えは分かっていた。
けれど焦っていたんだなんて、誰にも言えなかった。








体が熱い。怠い。眩暈がする。
息が苦しい。ずっと誰かに喉を絞められている気がする。