「もうすぐ着きますよ」 車の中には、異様な空気が流れていた。 後部座席と前部座席には明らかな温度差があった。 俺は隣に座っているショウトを見る。ショウトは窓の外の景色を眺めていた。葉の枯れた寂しい木々ばかりが目に映る。 こいつはこいつなりに、葛藤しながらなんとかやってきていた。 とばっちりなのに、他の奴の言うこともちゃんと聞いていたし、事件のことも知ろうとしていた。 好き嫌いとかその場の感情で流される時もあったけど、一年なのに妙にしっかりしてた。素直に羨ましいと思った。