『約束を守ろうなんて、思うな。破ったらどうしよう、って思うんだ。別にどうもしないけどさ、その方が気、引き締まるだろ』
脅しみたいで怖いけどさ。
そう言って二人で笑った後、アズマは家を去った。
これは私が私を追い込むためだけれど、私はこれを破ったらアズマにもう会わないつもりだ。何があろうと。
まあ怖いんですけどね。後で何かあった時に説教されそう。
そんなわけで私は話さないよ。
まだ私、一つ、アズマに聞きたいことがあったから。
私が先生に向かってきっぱりと言うと、先生は「懲りないですね」と笑った。
「残念です。また来ますけどね」
その笑顔は心なしか、日に日に弱々しくなっていくように思えた。



