「今日こそ喋ってもらえますか?」
同じことを聞かれ、同じようなものを食べ、同じように過ごし、精神は崩壊の一方を辿っていく。
そんな中でも、私はちゃんと意思を持って、ずっと同じことを繰り返した。
「ごめんなさい先生。できません」
それだけはどうしても守ろうと決めた。
それだけが唯一、私達を繋ぐものだと信じていた。
それは家を去る前に、アズマが私と交わした約束。
『なにがあっても、諦めない』
『......ああ、そうだよ。それでサユリ達のこと、守ってやってくれ』
簡単な約束だった。とても、分かりやすくて、簡単な約束。
けれど私はいつも心のどこかで諦めてしまうから。
少し心配なんだ、なんて。
あの時私はアズマに言った。そしたらアズマはこう言ったんだ。



