あかいろのしずく

けれどもう、私達にそんな気力は残っていなかった。



最初は警察を待とうと思ったけれど、果たして警察が本当に見つけてくれるのかどうか。


疑い始めたら終わりだとは分かっているけれど、二度も脱出に失敗し心を折られ、さらにアズマ達と離れ離れになったこの状況は、もう最悪としか言いようがなかった。


じゃあもう自分が知っている純のことを話してしまった方がいいんじゃないか、って話になるだろう。



けれど私には、ある時から、どうしてもそれができない理由ができたのだ。