あかいろのしずく


ぎりぎりと強い力で握られた腕が痛い。
リビングに入って、私はようやく抵抗する。



「ショウトくん」



ぐっと私の方に引っ張ると、ショウトは足が前に進まなくなって立ち止まった。「痛いよ」ショウトが私の言葉を聞いて手を離す。

窓の外は薄明るい白の光で満ちていた。青はほんのひと欠片だけだった。今、太陽は雲に覆われているのだと思った。


そのうち部屋の中に、影が落ちてきた。




「どうしたの? みんなで探すんでしょう?」



協力しようって。
やっと、まとまったと思ったのに。

ショウトはみんなで動くのが嫌なの?
そんな慣れ合いは必要ないと思ったの?



「私、変なことした? なにか嫌なことでも......」



嫌なことでもあった?


そう聞こうとして憚られたのは、ショウトが振り返った時、目が合ってしまったからだった。