あかいろのしずく

信じてほしいと、必死に訴えたあのショウトのような目を、私はきっとこの先忘れることはないだろう。



「もう決めつけて動くのは嫌だ。誰かを見捨てるのも嫌だ。不安におびえるのもたくさん。だから、先生のことを信じて頑張る」



悪い人じゃないの。悪い人じゃなかったの。
先生は言ってくれた。私達に罪はないって。

ぐっと拳を握ると、アズマは穏やかな顔になって、とてもその顔にはそぐわない吐き捨てるような声で言った。



「俺を見捨てるのはいいんだな」



その心に何を思っているのだろう。笑いもしない怒りもしないその顔は、自分は必要ないんだな、そう言っているようで、酷く心が痛んだ。



「見捨てないよ?」