そのうち眠気に襲われて、意識がぼうっとしてきた。





ショウトが不意に起き上がる。どこに行くの?
声が出せないので心の中で呟く。
私も起きようとしたけど、体が言うことを聞かなかった。


時計の秒針の音が小さくなっていく。何重か重なりぼやけた視界には、輪郭もはっきりしないまま遠ざかっていくショウトの背中。



抵抗しないまま、瞼がゆっくり下りてくる。
どこに行くの、ともう一度その背中に問いかける。

そうしたらショウトは、何かを思いついたようにこちらに一度だけ振り返って、





「頼みますよ、ナナカ先輩」








瞼の裏に落ちてきた言葉と共に、私は目を閉じた。