「言っときますけど、これはそういうのじゃないんで」
胸の中におさまってしまった私。その口ぶりからして、顔を上げれば頬を赤らめているのだろう。そう思うと何故か、心臓が忙しく動き出して。
「先輩見てたらこっちが不安になるんですよ。だから泣かないでください」
静かな空間に、投下された言葉。
棘があるような口調だけど、胸を温めるものには変わりなかった。
涙は止まり、息も落ち着いて。残ったのは恥ずかしくて、くすぐったいような、
嬉しくて、笑ってしまいたくなる優しい感情。
あったかい、なあ。
「うん。うん......ありがとう」
私は頷いてもう一度、目を閉じた。
しばらくそのままでいいと、ショウトは言ってくれた。



