あかいろのしずく

はあ、と隣から聞こえてきたため息。





「怖い夢でも、見たんですか」






抱き寄せられた肩。ふわりと香るシャンプーの香り。ちょうど頬を伝っていた涙が、その衝撃でぽろりと落ちたのが分かった。


そこで私は、ようやく気付く。アズマじゃない。
目を開いて尋ねる。




「ショウトくん」




見上げる間もなくショウトは「そーですよ。アズマじゃなくてすみませんね」と返した。違和感があると思っていた。そうだったんだ。



不安が、すうっと消えていくのが分かる。