あかいろのしずく

誰か、いないの。


「先生......」



そうだ、先生。先生がいるはず。
ドアの前まで体を引きずるようににじって行くと、ドアノブに手をかけた。


だが、汗で手が滑る上に力が入らずドアが開けられない。
なんで? なんで開かないの?


誰か、だれか。


息を切らしながらドアノブに手を伸ばしていたら。





「――――誰だ?」





突然後ろ声がして、私は慌てて振り向く。
どこかで聞いたことがある声。




......アズマ?