不意に風が肌を撫でた。見ると、窓が一か所だけ開いていた。
カーテンが吸い込まれるように外に出て、ひらひらと靡いていた。閉め忘れたのかも。紙を折り畳んでポケットにしまうと、私はそちらへ近づいていく。
一定の間隔で置かれている机を避けて、人一人分入る窓際の机と机の間に立つ。
窓のふちに手をかけた、その時だった。
突如視界を縦断する大きな影。スカートはクラゲのように膨らみ髪が空に上るように舞い、これから待ち受けるであろう衝撃にひたすらに目を瞑った少女。
スローモーションのようにゆっくりと落ちていくことはなく、目が合うこともなく、一瞬で視界から消えたそれに私は驚き声も出せなかった。
間もなく、視線の下の方で何かが潰れるような音が響き渡る。



