あかいろのしずく


『先輩だからって偉そうにしないでくださいよ。出口を探すのもオレらにほぼ任せっきりだ。自分は何もしていないくせに』

『......』

『大体、あの時あんたがクローゼットを開けさえしなければ......!』

『ショウト』



そこで、サユリさんが一度止めに入る。

ショウトはサユリさんに制され、目を怒りの色に染めながらも口を閉じた。それから視線を落とすと、頭をぐしゃぐしゃと掻いた。


サユリさんがアズマに向かって言う。




『少し......時間が欲しいわ。落ち着いたら、また話しましょう? 今日はもう、なにも出来ないと思うの......』




不安混じりの声だった。


『分かった』と、アズマはそれだけ言って頷いた。
言いたいことは、他にもあったはずなのに。