あかいろのしずく

サキは相変わらず一人で喋っているし、アズマは元居た場所に。私はアズマの隣に一人分の隙間を空けて座っていた。






無駄だと思っているから?





先生が私達を逃がすつもりはなく、これは本当の誘拐であり、
次にもう一度失敗すればもう見逃してはくれないということ。

一度にそう頭に叩き込まれ、もう諦めてしまったから?




『それとアズマくん』




先生に掴みかかろうとする人も、文句を言う人ももういない。
これが目的だったのなら、完全に私達の負けだ。




『君は一体なにがしたいのですか?』




先生は最後にくすくすと笑い、部屋を出て行った。