無意識のうちに私は口元に手を当てて、息を止めかかっていた。
そうでもしないと息が漏れて、その音で気づかれてしまうんじゃないかと思った。
ドクドクドクドク。
足音も自分の息も、かき消してしまう鼓動。
クローゼットの板を一つ挟んだ向こうに、先生がいるのかもしれない。何もできない私達を静かにを笑っているのかもしれない。
もし見つかったら、どうなるんだろう。
罰をうけるんだろうか。
誘拐して脅すぐらいだ。
何をされてもおかしくない。
そう思うと途端に不安と恐怖に押し潰されそうになって、震える息を抱えていた、その時。
――――ガチャン。



