心当たりが全くないわけじゃない。 確かにさっきからボーっとしてはいたが、と、自分の中で言い訳が始まる。 が、意識した途端、自分の体がまるで鉛でも埋め込まれたみたいに重く感じて、そこでようやっと異変に気づいたのである。 頬に手を当てると、氷のように冷え切った指先が頬の熱を奪う。足は痺れたように動かず、口の中は乾き、息は浅くなっていた。 サユリさんに横になるように言われて従うと、それは徐々に治まったが。 どうやら状況が呑み込めず、無意識のうちに軽いパニックになっていたらしかった。