柔らかい笑みを頬に浮かべた男性。 眼鏡が無くても分かる。目にかかる前髪、似合わないスーツ姿。その声も、その容姿も、名前も全部知っている。 だって昨日、私と彼は会ったんだから。 「先生......?」 無意識のうちに、声が漏れていた。 先生は座っている私の方に目を向けると、もう一度笑顔を作って見せた。 「おはようございます、ナナカさん。昨夜はよく眠れましたか?」 「先生が、私達をここに?」 「聞き返さないでくださいよ。僕が聞いているのに」