いきなり訳も分からないカウントが始まり、9、8、7と減っていく数字。心の準備でもしてるのかな、と思うと笑ってしまう。
『5、4......3......』
それとは反比例して、後ろで流れていた音楽の音量が大きくなっていく。何を間違えたのか、それがとにかく大きかった。私が普段聞いている音量よりもずっと大きく、先生の声がかき消されて、聞こえなくなるほどに。
が、既に携帯のもともとの音量は最小。これ以上消せば聞こえなくなってしまう。
まあ、そのうち自分でも気づいて調整してくれるだろう。
そう思い、頭の中まで響いてくる大音量の中で先生の声を探していた。
『......2............1............』
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