あかいろのしずく

やった!と喜んで顔を外に出す。しかし、現実はそう甘くなかったよう。


「条件をつけます」



なんだそれは。
条件?



「連絡先を渡します、登録してください。この家を出たら音源を送ります」



納得がいかない顔をしながらも、スマホを片手に震える手で私を指さす男性。面白くて思わず分かったと言ってしまったけど。


恥ずかしがりやなのか。うん、そうだな。
素直にそう言ってくれればいいのに。



にやにやしながら、彼に言われた通り連絡先を登録する。
その時にはもうすっかり、あの出来事のことも忘れていた。