あかいろのしずく









純は次の月もカウンセリングを受けに来ました。




結局先月はあれで終わってしまいました。四月はもともとカウンセリングの実施日数も少なかったのです。



純はあの後、何をするでもなく、僕がブロックをつめた袋を持って、『ありがとうございました』と一礼して帰って行ってしまいました。


それもそのはず。僕は純に聞かれて、何も言えなかったのです。






『好きな人と別れるには、どうしたらいいんですか?』





僕は一か月の間、ずっとそのことを考えていました。


残念ながら、僕は恋愛には鈍感でした。好きな人といっても今では朧げな小さい頃の記憶の中にいて、もう好意も残っていなければ、顔も思い出せませんでした。