ガタンゴトンガタンゴトッ…この日もいつも通り翔音は電車に乗って4駅先の学校に向かっていた。正直、この電車はほとんどが会社に向かう中年のおじさんで顔ぶれも変わらないため誰もが、何か、変化があることを期待していた。でも翔音は実は裏の顔は作曲系YouTuberなのだ。そのため電車の中でも次の曲の事を考えていた。ただ、もう1つ最近変化があった。翔音の向かえの席にイヤホンを付けた翔音と同じぐらいの歳の女の子が乗るようになったのだ。しかし、とくに毎日この2人は喋るわけでもなく正直、お互いの名前すら知らなかった。なので、いつもお互いが自分の趣味をしてるうちに駅に着いた。今日もいつも通り、学校がある駅で2人は降りた。そして、翔音が駅のホームを歩きだし少ししたその時、イヤホンを付けた例の女の子が何かにつまづき転んだのだった、翔音が思わず振り向いた時、女の子が転んだ拍子に取れたイヤホンから翔音の作った曲が流れた。翔音は身近に自分の視聴者がいた喜びからか、女の子に声をかけた。「あ…あの、もしかしてそれってS・ハセガワの新曲「キング・オブ・フラグ」ですか?」女の子は直ぐに元気な声で返事をしてくれた。「うん!そうだけど。 君はS・ハセガワ好き?」翔音も女の子の質問に喜んで答えた「うん。何と言うか、恥ずかしいんだけど僕がS・ハセガワこと長谷川翔音なんだよね…」女の子は随分と驚いた表情をして言った。
「えぇ~!!嘘。マジで?え、てか全く恥ずかしくないって凄いじゃん。」女の子の声が駅に響き渡った
「え、てか何歳?」続けて女の子が聞いた。
「16歳だけど」翔音が少し照れながら言う。
「天才じゃん!しかも私と同い年だし。」女の子が次から次へと翔音を褒める。りんごのように赤く頬を染めながら翔音は聞き返す。「え、同い年なんだ?」すると、女の子も目を光らせて言う。「うん。私も歌い手やってるんだ!!」それを聞いて翔音が驚いたような顔をして聞く。「も、もしかしてその声ってあの月歌!?」
すると女の子が少し鼻が高そうに言う「そう!私は月歌こと月花 歌音。よろしくね。」翔音が少し嬉しそうに言う。「実は僕、前から月歌のファンだったんだ。」すると、歌音は返すように言う「私もS・ハセガワのファンだよ。」そして、歌音が続け様に言う。「これを機会にお互い本名で呼び会おうよ!」翔音はまだ少し薄紅色に色付いた顔を1回縦に振って言う
「喜んで!!」そして、歌音はいきなり僕にお願いするように言った「突然だけど私とバンド組んでくんない?」そして翔音は勢い余って言った「あァうん。って、え、え。え〜!!」
続く