「ただいま~」

築6年の比較的新しいアパートの2階の角部屋。開けるとそこに待っていたのは飼い主の帰りを待ちわびていた黒猫の姿が。

「もも~ただいま~。ごめんね、遅くなって。今エサあげるね。」

エサという言葉を聞いてすぐにかけよって来るももは、毎日平凡な鶴巻莉沙の毎日に癒しを与えてくれていた。

一通りやることをやって一息つく。
茶色と黒を基調にした部屋のソファーに寝転がる。

『いやー今日も格好いいね~純也くん!』

適当につけたテレビから聞こえてきたのは最近毎日のようにテレビで聞く名前。