でも、その友達は男だ。
どう見たって、男は理美さんのことが好きだ。
遠目でも分かる。
心許すように理美さんを見て、楽しそうに話をしていた。
理美さんも俺には見せない顔をしていた。
いつもの理美さんだけど、どこか安心しきったかのように相手と話しているように俺は見えた。
俺が好きなのは、理美さん。
理美さんも俺が好き、だと思う。
両思いだけど、超えられない壁がある気がする。
俺はその姿を見ながら、左拳を握りしめ、口を噛み下に俯いた。
どうしたら、いいんだ。
理美さんと付き合いたい。
なのに、手が届きそうなのに届かない。


