2時間後 「今日は楽しかったです。ありがとうございます」 金井さんは笑顔で私に言った。 それはまるで、金井さんの素で笑っているように見えた。 「こちらこそ。ありがとうね」 私もつられて、自然と笑っていた。 「…あ、理実さん。あの……」 金井さんがそう言いかけた時、私のコートのポケットに入っていた携帯電話のバイブ音が鳴った。 ポケットから携帯を取り、携帯の画面を見ると、亮介だった。