きみの理想の相手



「…っ、大丈夫ですよ」

私は口元に手を当てて、クスッと笑いながら、金井さんに言う。

「……すみません。じゃあ、いきますか」

「そうですね」

「駅周辺でいいですよね? 俺調べてきて、理美さんといきたいなあと思っていたとこあったので、そこでいいですか?」

金井さんは、さっき程のシュンとした切なそうな顔から明るい表情でズボンのポケットから携帯を取り出して行きたい場所の地図を見ていた。

「いいですよ」

私は返事をすると、嬉しそうにしていた。

その態度を見るだけでも、こちらも嬉しくなる。

携帯を片手に持ち、私を案内してくれた。

高杉駅は私がよく使っているが、食事などではあまり利用したことがない。

だから、どこに案内してくれるか楽しみだ。

駅周辺を歩いていると、金井さんがお店の前に立ち止まった。